幼稚園に行くようになってから絵が嫌いになりました。
幼稚園に入る前までは、好きな絵を好きなように描いてとても幸せそうだった娘ですが、幼稚園に入ってからは絵を遠ざけるようになりました。
この変化にもっと早く気づいてやりたかったのですが、明確に気が付いたのは年中になってから。
年中の参観のとき、先生が「ぷちこちゃん、絵がとっても上手ですよね!」と明らかに’描かされた’絵を差し出したのです。
今までの娘の絵からするととても不自然な絵。 娘は、そんなに一つの物を大きく紙の真ん中にドーンと書くような性格ではないのですが、その絵は真ん中に大きく対象物が描かれていました。
色使いも全て不自然。一言でいうと、「大人に媚びるような絵」でした。
そうは言っても、そのとき「媚びられた」私はついつい娘を見やることを忘れて「上手ですね! びっくりしました。こんな絵が描けるんだ」と言ってしまいました。
けれど、そのあと誇らしげに娘を見ると、バツが悪そうな顔。 そう。それは娘が描かされた絵だったのです。だから、褒められても居心地が悪かったのでしょう。
そこからは絵を完全に拒否するように。 「私は絵が下手だから」というようになってしまったぷちこ。
「絵に上手い下手もない」と常々思っていて、娘の絵を常には「可愛いね」とか「この絵好きだな」と言うようにしていたのに、ついつい先生に乗せられて描かされた絵に対して「上手」という評価を与えてしまった私も十分戦犯でして、時間を巻き戻せるなら、巻き戻したい。
それからしばらくして、娘は再度「絵が下手だから」と言い始めました。
私は「お母さんは、ぷちこの絵が好きだよ。どうして下手だと思うの?」と聞くと、 「先生は他の子の絵は上手ね、って褒めるけど、私の絵は褒めないから・・・」
うーん・・・。 わかる。すごくわかる。 人を褒めるのはいいことかもしれないけれど、難しい。複数いるときに特定の人が褒められると、相対的に自分が落とされたような気がするよね。 私も小さいころ、そういう風に思って以来、友達とかが複数いるときには、誰かを褒めたりしないようにしてきました。というか、褒めるって評価を与えることだから、上から目線になるし、本当に運用が難しい。
言わないけど、言えないけど! 幼稚園の絵に対するスタンスはおかしい!!
そんなこんなで、娘の絵に対するスタンスを軌道修正中です。 もう話せばわかる年齢なので、上記の私の考えを幼稚園を責めないように(責めると混乱するだろうから)、訥々と話して聞かせました。
もちろん、一気に絵が好きになるということはなく、ほんの少しだけ、ちょっとだけ、時々は絵を描くようになってきたぷちこ。 評価を与えることなく、「これは何をしているのかな」とか「お母さんがいるね! 嬉しい!」とか、そんな感じでぼちぼちとやっています。 少しずつでも、絵を楽しんでくれるといいなあ。。
もう幼稚園は余計なことをしないで欲しいです・・・。
おしまい
(おまけ)
こんな本に出会いました。 正直、子どもが生まれたときに読みたかったという内容です。 幼稚園の先生にも読ませたい・・・。
こっちは読みかけだけど、子どもの不自然な絵が紹介されています。 幼稚園で描く絵は不自然な絵のオンパレードです!! こっちも幼稚園に持っていきたい・・・。